今年の6月にApple Musicで提供が始まった「空間オーディオ」。
お恥ずかしながら、音楽方面にアンテナを張ってなさすぎて最近その存在を知りました…………
機能の説明や使い方など、詳しくは公式のサポートをご覧ください。
実際に体験してみたところ、なかなか面白いものだったのでレビューです。
体験環境
使用する機材によっても感じ方は変わってくると思うので……
一応、私の体験環境について記載しておきます。
(あまり良いものではないのでお恥ずかしいですが、まぁ一般人程度のものということで……)
まるでライブハウス
ロックやポップスは、まるでライブハウスで演奏を聞いているような感覚。
ステレオ音源と比較して決して驚異的な変化ではなく、一瞬「こんなものか」という感じではありましたが……
裏を返せば自然な音場の広がり方。
ステレオでは自分の頭の位置にいたボーカルが、空間オーディオでは少し距離を空けて手前に……
まさにステージの中央で歌っているのを、客席から聞いているような雰囲気。
合わせてギターやベース、ドラムの位置や距離感もかなり感じられ、目の前にライブハウスが現れたような感覚です。
頭上から音が聞こえる……とまでは残念ながら行かないかなという感じですが「音に包み込まれる」の表現に誇張はないのではないでしょうか。
それぞれの良さがある
ステレオは頭の中に音が位置し、それぞれの音がとてもクリアに聞こえます。
一方で空間オーディオは楽器との間に距離があるような感じで、少し音はリバーブがかったような雰囲気ですが……音の位置はより分かりやすく、ライブ感や実在性の増した音。
ステレオで聞きたい時もあれば、空間オーディオで聞きたい時もある。
また、ステレオが合う曲もあれば、空間オーディオが合う曲もある。
どちらが良い悪いとかではなく、我々が好みに合わせて選んでいくものだなぁと思いました。
合うジャンルと合わないジャンル
空間オーディオは音楽のジャンルによってもかなり印象が変わります。
生楽器の演奏を収録しているバンド編成の音楽は、楽器の定位が自然で、ライブハウスのような実在性と臨場感のある響きになってとても良いです。
極端な例ですがフレディ・ハバード - Arietisなんかは、ステレオ音源に極端なパン振りが為されている分、空間オーディオの方は凄く自然で聞きやすい。
この究極とも言えるのがクラシック、これは本当に凄い!
クラシックはあまり詳しくないですが……組曲「惑星」作品32 1.火星~戦争をもたらす者みたいにオーケストラ編成だと広い空間に多くの楽器が響きますから、空間オーディオがピッタリですね。
逆に、最近は打ち込みを用いた楽曲も多いですよね。これはモノによりけりかな……。
BTS - Butterなんかは凄く良く作用してます。
K-POPはEDMの流れが強いですし、元々音場がかなり広く迫力・音圧があるから、映えるのかもしれません。
逆にAdo - うっせぇわは、打ち込み臭さが少し出ているかなぁという感じ。
楽曲の制作環境を詳しく知らないのでどこまで打ち込みなのか分からないですが……音場は広がっているけど綺麗すぎてライブ感はあまり無いかも。
やはり、生演奏かつある程度の演奏環境の広さがある音楽が、空間オーディオでは映えそうです。
ヘッドホンがオススメ
イヤホンでもかなりの効果が出ますが……
やっぱり直接耳の穴を塞がないヘッドホンの方が、音に包まれている感というか、ライブハウスにいる感が強くて、臨場感があって良いですね。
ちなみに骨伝導イヤホンは個人的には微妙でした。
ただ音が籠もるだけというような感じで……
それ用に作られてないし、仕方ない。
切り替えが面倒
好みに合わせて切り替えるもの……なんて話をしましたが。
現状、iPhoneでは設定画面からしか切り替えることが出来ません。何故?
もっと自由に切り替えられるようになれば、もっと普及するだろうなと思うだけに、今後の改善に期待。
ちなみに、Windowsでは聴くことすら出来ません。救いはないのですか?(俺の中のメイショウドトウ)
対応楽曲、増えて!
Apple Musicの「見つける」にて、空間オーディオ対応楽曲をまとめた公式プレイリストが公開されています。
まだまだ対応楽曲は少なく、特に邦楽はほとんど無いです。
おそらく制作にもそこそこのコストがかかるのでしょうが……
とても素晴らしい体験ができる機能ですし、対応楽曲が増えて、ますます普及していくと良いですね。