わたしです

みなてふ(twitter:@mintexcca)のメモ帳みたいなもんです

和ゲーアクションRPGの良作「SCARLET NEXUS」クリアレビュー

https://image.api.playstation.com/vulcan/ap/rnd/202102/2604/qj7eaiYf42p8FgU3jUzb1HZI.jpg?w=780&thumb=false

今年の6月24日にバンダイナムコエンターテインメントから発売されたアクションRPGゲーム「SCARLET NEXUS」
(対応ハード:Xbox OneXbox Series X/S・PlayStation 4PlayStation 5・Steam)

発売前からずっと楽しみにしていた本作、先日ついにクリアしてしまい名残惜しい気持ちです。
いや~、面白かった

と、いう訳で「アクション」「ストーリー」の大きく2つの側面から、クリアレビューをしていきます。
ネタバレはしないように書いていきますので、購入を検討している皆さんもご安心を。
PS5版にてユイト編、カサネ編両方クリア済み、プレイ時間57時間です。

ちなみにプレイ中スクリーンショットを撮ってなくて記事にも華が無いです、すんません……。

◆アクション

爽快念力アクション

キャラクターは1人1つずつ、超脳力と呼ばれる凄い能力を持っていますが、主人公であるユイトとカサネの超脳力が「念力」
フィールドに落ちている色々なモノを浮かせて投げつけて攻撃!
この念力アクションを駆使した戦闘が面白い。

数少ない遠距離攻撃手段として遠くから安全に戦うもよし、近距離攻撃と組み合わせて大ダメージを狙うもよしと戦略性が広がりますし……
投げるモノによってダメージが違うのも面白いです。

また更に面白いのが、ただ投げつけるだけじゃない「特殊オブジェクト」を使った念力アクション
タンクローリーを爆破してみたり、シャンデリアをコマみたいに回してみたり、ドローンを無理やり操作してみたり……
とにかくバラエティ豊かで派手なので、興奮間違いなし。

ただ、狙った敵に上手く当たらなかったりとイライラすることもあります。
また、自動照準なので透明になった敵に当てるのは難しい。(当てる方法はありますが)
オブジェクトを投げる方向を自分で決められるようなアドバンスドな操作があったら、ストレス無く新たな戦術も生まれて面白かったかもしれないですね。

SASで戦況を変える

他のキャラクターが持つ超脳力を一時的に借りるのが「SAS」というシステム
SASゲージを消費することで、放電、透明化、瞬間移動……と、バラエティ豊かな超脳力を借りることができます。
能力を借りるだけでなく、様々な連携技を繰り出すことも可能。

それぞれの敵に合ったSASを、適した使い方で活用して戦うことで、断然有利に戦闘を進めることができます。
(中にはSASを使うことが前提のような敵もいますが)
ゲームを進めていくうちに段々最適なSASが使えるようになり、敵を蹂躙!
爽快感もありますし、何よりSASが本当に強いので、プレイヤースキルの成長が分かりやすく感じられて楽しいです。

また、この超脳力に頼りっきりになる……ということはなく、どの超脳力も満遍なく使っていけるようなゲーム設計になっているのも見事の一言でした。

ストレスの少ない戦闘

戦闘は総じてスピード感があり、爽快感があります。
普通の攻撃から念力アクション、SASからアイテム使用まで全部一画面に集約されているので、例えばアイテム欄を開くなどして戦闘が中断する場面もなく、ストレスが無いです。
その分、ボタンをフル活用した操作にはなりますが、操作が分かりづらいということはなく、適度な忙しなさが私には丁度良かったです。
敵の攻撃の予備動作も大きめで、必中の攻撃はなく回避やSASを活用することで避けることができますので、理不尽さがなく、そのスピード感とは裏腹に冷静さが大切な戦闘バランスだと思いました。

強いて言えば、空中戦は距離感も掴みづらく、キャラの制御も難しい印象で、少しストレスでした。
飛んでる敵は最後まで好きになれなかったなぁ。
飛行できる脳力とかがあったらまた面白かったのかも?

◆ストーリー

SF×成長×絆

ネタバレなしでストーリーを語るのは難しいのですが……
SCARLET NEXUSを3つの単語で表すなら「SF」「成長」「絆」

人々が一人ひとつ持つ脳力がフル活用されている世界で、各々が異なる思惑を持って脳力を使い、それが交錯しながら物語は展開していきます。
異能バトルもありますが、それよりは脳力による人智を超えた科学を巡る、あらゆるSF要素が詰め込まれたような物語です。
と言っても、超難解な訳ではなく、あくまでアクションゲームらしく分かりやすい。
少々ご都合主義な展開も含まれなくはないので、考察好きなクラスタには少し物足りないかもしれません。

そして、キャラクター描写の丁寧さが素晴らしい本作。
一人一人がしっかり深堀りされ、その成長の過程が分かりやすく描写されるので、全キャラに愛着が湧きます
個人的にはやっぱりカサネが好きかなぁ……。

また、キャラクターたちの関係もまた、丁寧に描かれています。
そもそもアクションの要であるSASも「脳を繋いで超脳力を借りる」ものですし「繋がり」が大切にされている作品なんですよね。
キャラの関係性は物語の中で目まぐるしく変化し、そして強固になっていくアツさ。
さらに、SASという形でその関係性が戦闘にも反映されていくのが、面白いです。
……まぁ絆が大切にされている分、物語の中で、絆の力でゴリ押し!みたいな展開も見られなくはなかったですが、私はあまり気にならなかったです。何せアツいので!

ダブル主人公

ユイトとカサネ、二人の主人公がいる本作。
ユイト編とカサネ編ふたつの物語が用意されており、最初にどちらを遊ぶかを選んでゲームが始まります。

このダブル主人公性が上手く活用されていて面白い。
2つの物語は時間軸が同一で、同じ事の顛末を二人それぞれの視点から体験していきます。
当然それぞれのルートで結末は同じで、片方だけプレイしても事の核心を知るには十分ですが……
二人は全く違う過程を経て同じ結末に至るので、2つのルートをプレイすることで初めて事の全貌を知ることができます
片方をプレイしただけでは多くの疑問が残り、もう片方をプレイしたくなる上手い仕組み。痺れますね~。

ちなみに僕はカサネ編を先にプレイしましたが、どちらを先にプレイしても面白いと思いますので、気になるキャラクターからプレイしてみては?

サイバーパンクでカッコいい世界観

浮き上がるネオンサインのようなものがカッコいい、サイバーパンクな世界観
脳力により映し出されているもので、このように、人々が持つ脳力という異能が、単なるファンタジーというよりも、科学技術のように描かれているのが面白いです。
ちなみに作品ではブレインパンクと説明されています。

カッコいい世界観と併せて、古墳だったり鳥居や灯籠、寺院など日本の伝統建築のような、日本文化のモチーフがあらゆる所に出てきます。
私は日本の仏教文化などが好きなので、これが嬉しかったですね。
和ゲーなので、丁寧かつ正しく描かれていますし、その近未来的なアレンジも冒涜ではなく文化へのリスペクトを感じるもので良かったです。
もちろん伝統文化だけでなく、あらゆる建造物が日本的なので、日本人にとっては親しみの持てる世界観なのではないでしょうか。

物語の展開は速め

プレイ時間は各ルート30時間程度というところで、決して長くはないですが……
その内容はかなり濃密。次から次へと物語は展開し、キャラクターたちの置かれる状況は目まぐるしく変化します。
その分、物語の展開はかなり速いように感じました。
無駄が削り取られた濃密な30時間、ダレるようなシーンはほとんど無いので、飽きることなくプレイできると思います。

ただ私は、例えば日常シーンが長い程それが崩れ落ちる時の衝撃が大きいように、物語にはある程度の冗長さも必要だと考えているタチなので……
正直1周目のプレイ時には度肝を抜かれました。

会話シーンが多め

物語の描き方も丁寧で、キャラ一人一人の深堀りもしっかりしています。
ただその分……ゲームのプレイ時間全体に占める会話シーンの時間は長めです。
時には一時間くらい延々と会話シーンを見ていることもあるので、こういうのが苦手な人は気をつけた方が良いかも。

また、会話シーンの多くは「場面シーン+バストアップ立ち絵+メッセージウィンドウ」で演出されますので、画面に変化がなさが物足りずダレがち。
ただ、ここぞ!というシーンではシネマティックな演出でキャラが動き回るので、そこでメリハリがついています。
キャラクターモーションのコストカットをしつつ強いメリハリがつけられる演出法になっているので賢いなぁとも思います。

◆続編への期待が高まる

私は洋ゲーより和ゲーが好きなのですが、そんな私でも久々にここまで熱中できるゲームに出会えたなと、そのくらい良いゲームでした。
今後もDLCによる追加シナリオがあったりするみたいなので、流石バンナムさんと思いつつ、今後に期待ですね。

そして、キャラクター達とこの世界の今後が見てみたい……!
どのくらい売れているのか知りませんが、ぜひ続編を作っていただきたいですね。
という訳でたくさん売れてほしいので、皆さん買ってください