わたしです

みなてふ(twitter:@mintexcca)のメモ帳みたいなもんです

「魔改造の夜」の話

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先週の土曜日、そして昨日とNHKのBSPで「魔改造の夜」の第9,10回(第五夜)が放送されました。

大手メーカーの技術者たちが既存製品を"魔改造"して競技に挑み、そのパワーやスピード、正確さなどを競うエンタメ番組で、第9回は「ネコちゃん落下25m走」、第10回は「電気ケトル綱引き」でした。
私も理系の大人たちが本気で挑んでいる姿が刺さる歳になりまして……とても面白い番組なので、感想がてら紹介。

番組概要

既存の製品(おもちゃや家電など)を魔改造して(大概原型が無くなるほど改造されますが)競技でメーカー同士が競い合う番組です。
各夜ごとに大手メーカー3社が参加、誰もが知るあんな企業やこんな企業も参加しています。
競技はスピードを競うものやパワーを競うもの、正確性を競うものまで様々。
「ネコちゃん落下25m走」で言えばスピードと耐久性、正確さ、「電気ケトル綱引き」はパワーですね。

普通に動くものを作ることの難しさ

各社は一ヶ月という期間で無理難題に挑みます。
ギリギリの期間・条件下での製作なので、いざ本番でマシンが想定通り動かない!ということもしばしば。
実はこれがこの番組の大きな醍醐味のひとつかなとも思っていて。名だたる大手メーカーをもってしても、短期間で難しいマシンを想定通りに動かすことは至難の業なんだ、という。
エンジニアの凄さと尊さを知り、身の回りで当たり前に使っている機械もエンジニアさんたちのアイデアと努力と時間の結晶であるということを再認識させられます。

多様なアイディア

例えば「電気ケトル綱引き」は平たく言えば、電気ケトルで沸かしたお湯の蒸気をパワーに変えて綱引きをするもの。
我々は「蒸気機関ってことかぁ」と安易に考えますが、実際に蒸気機関のアプローチを取るのは一社だけ。本当に多様な面白いアイディアで各社個性の強いマシンを作ってきます。
中には「そんなアプローチがあるのか……」と思わず感心してしまうようなアイディアもあったり。そのマシンがジャイアントキリングを起こしたりするともう大興奮です。
お題自体はシンプルでも、各社が強みを活かすため、あるいは弱みを回避するために、全く異なるアプローチをとる。その過程もしっかり紹介されるのが良いです。

理系の大人たちの熱いドラマ

理系のおじさんたちが改造に夢中になってる姿を見ると童心に帰れますねぇ〜。
それでマシンが上手く動いて歓喜に沸き、上手く動かなければ悔し泣きし、チーム同士で讃えあう姿に笑いと感動あり。
また毎度毎度ドラマを作ってくれるんですよね〜番組の作り方がうまい!ロボコンなどと違って全体的に大人っぽく暗めな雰囲気なのも良い味を出していますし、参加者たちがみんな会社という責任を負い、会社が積み上げてきたノウハウや資金力を活用していく「大人げなさ」も大きな魅力です。
全体的にダークな雰囲気に仕上げているのに、負けたチーム、上手くいかなかったチームも最後にちゃんと「その挑戦に意味あり!」という感じで讃えてくれるので、後味も大変よく素敵な番組なんですねこれが。

問題設定に技あり

この手の番組は、制作側がどのような課題設定をするかがキモですよね。
全チームがクリアできなかったら試合にならないし、逆に余裕にクリアできるようなお題だったら興醒めになります。ここがすごーく上手くできてて、参加してるエンジニアさんも見ている我々も思わず熱くなってしまいます。
「ネコちゃん落下25m走」は6m落下させる必要があるところがミソ。この難しさは我々一般人には想像し難いですが、これがいかに難しいかは番組を見れば理解できるはず。
(ちなみに、実際の試合やマシンのレギュレーションは番組内で最低限紹介されますが、おそらく全部ではない気がするんですよね……個人的にはそこもしっかり紹介してくれるとさらに良い番組になるんじゃないかなと思ったり)


第五夜の放送は昨日終わってしまいましたが、いつか再放送があると思うのでぜひぜひ見てみてください。
第六夜は年明けになるのかなぁ‥‥楽しみです。