私はお笑い番組が好きで結構よく見ます。
最近は「有吉の壁」と「千鳥のクセがスゴいネタGP」がお気に入りで、欠かさず見ているのですが……
まぁそんなことはさておき、昨年のM-1グランプリでマヂカルラブリーが優勝したのは記憶に新しいですね。
当時、マヂカルラブリーのネタは果たして漫才なのか?コントではないのか?とくだらない議論が巻き起こりました。
個人的には、面白ければ何でも良いんじゃない……?とは思うのですが……
それはそれとして、漫才とコントの線引はドコなの?と個人的に気になったので、考えてみました。
マヂカルラブリーの漫才を振り返る
ひとまず、昨年のM-1グランプリのマヂカルラブリーの漫才を見てみましょう。
ありがたい事に、公式動画があります。法に触れずに済むね。
まぁ……議論が起こるのは分からんでもない。
個人的には、マイク1本で他の小道具は使ってないので、少なくともコントではないのでは?とは思いました。
野田はコント、村上は漫才をやっている、という指摘もありましたが、なるほど的確かもしれない。
辞書とかを見てみる
ひとまず「漫才」と「コント」を辞書で引いてみましょう。
デジタル大辞泉では、以下のように説明されています。
漫才:二人の芸人がこっけいなことを言い合って、客を笑わす寄席演芸。
コント:笑いを誘う寸劇。
めちゃくちゃザックリしていますが、漫才は「会話」であり、コントは「劇」である、という感じでしょうか。
これだけでは、マヂカルラブリーの漫才が漫才なのかコントなのか……という議論は難しそう。
劇……ではないが、会話……も基本成り立っていないですからね。
そこで、今度はWikipediaを確認してみます。
Wikipediaをベースに議論を進めるなど言語道断ではありますが……ここはクソ記事量産所なので、許してくれや。
漫才(まんざい)は、2人ないしそれ以上の複数人による寄席演芸の一種目。通常はコンビを組んだ2人によるこっけいな掛け合い、言い合いで客を笑わすものを言う。
言わんとしていることは辞書と変わりませんね。
ただ、記事中でコントとの違いに言及されていました。
漫才は基本的に、演者が「演者自身」として発話し、その会話の流れによって観客の笑いを呼び起こそうとする演芸であり、その点で、何らかの役柄や舞台設定を、扮装や簡単なセットによって提示するコントとは異なる。
ここでは「役柄・舞台設定の有無」「セットの有無」が漫才とコントを分かつとしているようです。確かに。
「コント」のWikipediaの記事でも、同じような内容の言及がありました。
ただし漫才が「役」に入らない状態で掛け合いを行うのに対し、コントは原則的に演者が何かの役を演じることで展開されていくという違いがある。役に入らない漫才は、役としての衣装や小道具、大道具やセットなどを用いず、舞台中央に演者が並んで会話形式で演じることを原則とするが、コントは必要に応じて化粧や衣装、着ぐるみなどで役を作り、舞台全体を利用し、大道具やセットなどが使われることもある。内容は漫才のように軽妙な言葉のやりとりを主とするものから、演劇のように芝居がかった展開のものまであり、明確な定義はない。
なるほどなぁ~。
ところで、「コント漫才」なる記事がありましたので、そこも抜粋してみます。
漫才において、その会話の流れなどで始まるコント。漫才コントとも呼ばれる。
わかりやすいものは、「わたし、◯◯の役やるからあなた、××の役やってくれ」などとネタを振り、2人で(まれにボケのみで)何かしらの役を演じるコントが進行してゆく。衣装や小道具を必要とせず、場面設定や状況もしゃべりだけで表現する。
詰まるところ、マヂカルラブリーの漫才はこの記事で言う「ボケのみで役を演じるコントが進行する漫才」なんですよね。
つまり漫才です。おわり。
一応、大会レギュレーションも確認してみる
まぁこれだけではつまらないので、「M-1グランプリ」と「キングオブコント」の大会レギュレーションも見てみます。
M-1グランプリのWikipediaの記事を見てみると、こんな記述があります。
いわゆるしゃべくり漫才に限らず、コント・トーク・歌等の芸が許されている。また、ギター等多少の小道具であれば持ち込みは許されるが、第2回大会で審査員の松本人志がテツandトモのネタに対して「これを漫才ととっていいのかは難しい」と語っており、小道具の使用や漫才以外の芸は評価されにくい傾向がある。
つまり、M-1グランプリでは原則として小道具やセットを使用できないわけですが……
漫才日本一を決める大会でありながら、ネタの形式自体は漫才に限定されていないようです。
マヂカルラブリーのネタはしっかりレギュレーションを満たしているので、文句を言われる筋合いはない訳ですね。
ちなみに、キングオブコントのネタに関するレギュレーションは発見できませんでした……
キングオブコントで漫才をやることはレギュレーション違反なんですかね?
(まぁ、そんなことをしても評価されないでしょうが……)
そもそも議論の意義とは?
以前テレビ朝日系で放送されていた「お笑い二刀流 MUSASHI」という番組。
人気芸人たちが漫才とコントの両方を披露する番組なのですが……
コント芸人シソンヌは、女装したじろうと長谷川でしゃべくる異色の漫才を披露していました。
これに対してサンドウィッチマンは「これはコントですね」と一言。
確かに、役柄の有無がコントと漫才の線引の一つだとすれば、これはコントということになります。
でも、全く無名の芸人が、女装して漫才を披露した場合はどうなるのか?
シソンヌはある程度名の知れた芸人ですから、じろうが「演じている」んだなというのを視聴者が見て分かりますが……
シソンヌを全く知らない人にとってみたら、それはシッカリ漫才だったのでは?とも思うわけで。
漫才とコントの線引は視聴者に依存する場合もあるなぁと感じたのです。
続いて2021年3月28日放送、またもやテレビ朝日系の番組「爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!」で、アルコ&ピースが披露したネタ。
「天使と悪魔」を題材にした漫才ベースのネタなのですが、音響や照明の効果をふんだんに使用しているため、「面白いんだけど漫才でもコントでもないと言われ、賞レースに出せない」と嘆いていました。
ネタ形式的には漫才でありながら、世間一般で漫才と捉えられないもの(もちろんコントでもない)も存在するんですよね。
こんな感じで、漫才-コントの線上には、一般に漫才ともコントとも言えないようなネタがわんさか散らばっているわけで……
そもそも漫才とコントの線引なんて曖昧ですし、決めること自体無粋なことだなぁと思いました。
結局何が言いたいの?
面白ければ何でも良いんだなあ
なかを