今回は「art of rally」というレースゲームをレビューしていきます。
見下ろし視点にシンプルなグラフィックでラリー黄金時代を描く本作。
ポップな見た目とは裏腹に、本格的なラリー体験が面白いゲームです。
SteamやEpic Games Storeなどで配信中の他、Xbox版も配信中。
Nintendo Switch版、PS4版、PS5版も配信予定とのことです!
車を操る楽しさ
見た目はポップかつシンプルでレースゲーム初心者にも取っつきやすいですが……
車の挙動は実車に近くとてもピーキー。
初プレイでは誰もがすぐにコースアウトしてしまい「何だこのゲーム、難しすぎ!」と思わずにはいられないと思いますが……
実車のラリーと同様、繊細なステアリング、細やかなペダルワークが必要になるリアルな挙動の本作。
何回もプレイして、徐々に徐々に上達していくうちに……
車を自分の手足のように操る楽しさを実感できるようになるはず。
さらに、車ごとの挙動もそれぞれ違いが分かりやすく、安定したマシンから、扱いの難しいマシンまで様々。
キャラクターの違う車たちを乗りこなす楽しさもしっかりあるゲームになっています。
是非、ハンドルコントローラーやアナログトリガー入力のコントローラーなどで遊んでほしいです。
ちなみに、初心者向けの運転アシスト機能も存在するのでご安心を。
まぁ、それをつけてもかなり難しいんですけど…………
ラリー黄金時代の名車から幻のマシンまで
ラリーの国際的な競技化が始まった1960,70年代頃のグループ2,3,4から始まり、ラリーが最も大きな盛り上がりを見せた1980,90年代のグループB,Aまで……
今の今まで続くワールドラリーの原型が形作られるまでのラリー黄金時代を追体験する本作。
ラリーの歴史を形作ってきた数々の名車が(実名ではありませんが)50台以上登場します。
ポルシェ911やミニ・クーパー、アルピーヌ・ルノーA110など、黎明期の面白いマシンから……
今ではラリーのアイコン的存在であるランチア・ストラトスやランチア・デルタなど……
ラリー好きでなくても、車が好きな人なら誰もが興奮するラインナップであることは間違いなしです。
デフォルメされたグラフィックで再現された車たちは、特徴を捉えつつ可愛さもありますね。
またこの時代のラリーには日本メーカーも積極的に参加しており、トヨタ、スバル、三菱、日産の名車が登場するのも、日本車好きの私としては嬉しいポイントです。
さらに、危険すぎて遂に実現しなかった超ハイパワーのグループSのマシンも参戦。
もしもグループSカテゴリーが実現していたら……とifの世界を体験できるのも面白いです。
本格、だけど手軽なラリー体験
狭い悪路をハイスピードで駆け抜ける狂気のモータースポーツであるラリー。
昨年の春に「DiRT Rally 2.0」という本格ラリーゲームがPSPlusのフリープレイに追加されて、ラリーゲームデビューした人も少なくないはず。
そして、そのあまりの難しさに発狂した人もまた、少なくないはずです。
本作「art of rally」も本格的な作品ですが……
それらのラリーゲームに比べればかなり敷居が低め。
言い換えれば、手軽に本格ラリーが楽しめる素晴らしいゲームです。
例えばラリーは、助手席に乗っているコ・ドライバーがコースをナビゲーションするのが大きな特徴。そのくらい先が見通しづらい難易度の高いコースを走行するということですが……
このゲームは見下ろし視点なのでそこはクリア。
ラリーの敷居の高い部分は排除しつつ、美味しい部分は残しつつ……
ラリー最大の醍醐味である、自分と車の人馬一体感を存分に楽しめる、まさにいいとこ取りのゲームだと思います。