わたしです

みなてふ(twitter:@mintexcca)のメモ帳みたいなもんです

百合漫画を紹介するやつ Vol.2

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前回(Vol.1)はこちら
次回(Vol.3)はこちら

シリーズ化していきたい百合漫画紹介、二回目です。
百合漫画ばかり読んでいると、普通のラブコメが読めなくなるのでほどほどにしましょうね。

さて、今回は前回と毛色を変えて「時代や舞台の設定が特殊」な3作品

  • きみが死ぬまで恋をしたい
  • 私の推しは悪役令嬢。
  • さよならローズガーデン

重めな作品もありますが、極力ネタバレなしでいきます。


きみが死ぬまで恋をしたい

著:あおのなち / 一迅社(百合姫コミックス)
既刊4巻(連載中)

あらすじ(公式から引用)
戦争用兵器として育てられる少女たちの、生と死と恋。
身寄りのない子供を受け入れ、戦争用兵器として育てる機関に通う14才のシーナは、魔法で人殺しができるよう日々訓練をしている。本当は戦争になんか行きたくない、人なんか傷つけたくない…、そんな彼女が出会ったのは、不死の秘密兵器と噂される小柄な少女ミミだった。

魔法が使える世界かつ戦時下という、百合作品としては異質な作品。多少のゴア表現もありますので、苦手な方は注意です。
大きなテーマの一つが「死」で、何気ない日常シーンの中でもそれを意識する場面は多く、少し叩けば崩れそうな脆さと緊張感のある物語。
そういう過酷な世界だからこそ描ける、強く覚悟のある、それでいて儚い百合が魅力だと私は思います。
主人公であるシーナとミミの関係性はハッキリとせず、百合作品としてどのような関係に落ち着いていくのか、気になります。
……それにしても、当たり前のように、そして呆気なく人が傷つき死んでいくのはしんどすぎる。救いはどこ?
特にシーナがすごく健気で良い子で私好みなので、どうか幸せになってほしい……ですが、今のところハッピーエンドが見えません、助けてくれ……。


私の推しは悪役令嬢。

漫画:青乃下 / 原作:いのり。 / キャラクターデザイン原案:花ヶ田 / 一迅社(百合姫コミックス)
既刊3巻(連載中)

あらすじ(公式から引用)
乙女ゲーム「Revolution」の世界に、ヒロインのレイ=テイラーとして転生した社畜OL・大橋零。
そんな彼女の推しは攻略対象の王子たち…ではなく、悪役令嬢・クレア=フランソワだった!
 
小説家になろう」で大人気のガールズノベルをコミカライズ!
推し一筋、激動のラブコメ・ファンタジー開幕!

流行りの悪役令嬢もの。なろう原作なので、他の百合姫作品とは一線を画した雰囲気が魅力。異世界転生ものは多かれど、百合作品では珍しいですね。
全体としてギャグ調でシリアス展開は今のところ少なめですが、どうなっていくのか楽しみ。
何より絵がメーーチャクチャ私好みでして!ひとつひとつのコマが可愛く美麗で見とれてしまい、読むのに時間がかかります。
百合は同性愛を描いている都合上「ノンケの女の子が女の子に落ちていくサマ」が魅力の一つとなる作品が多い訳ですが、今作は相手が悪役令嬢ということもあり「主人公が大嫌い!」な状態からスタート。その分、クレアが主人公に心をひらいていく過程は見応えがありますし、ギャップがたまらんですね。
3巻時点でまだ恋愛という感じでは全く無いのですが……今後どうなっていくのか!?非常に気になります。
私は原作未読ですが、これからどんどん面白くなっていきそうな雰囲気もあり、めちゃくちゃ期待している一作です。


さよならローズガーデン

著:毒田ペパ子 / マッグガーデン(ブレイドコミックス)
既刊3巻(完結)

あらすじ(公式から引用)
時代の荊が苛むとしても、わたしはあなたを――。
1900年イギリス。愛が、家族が、社会が荊だった頃。憧れの作家に師事するため渡英した九條華子。拠り所のない彼女をメイドに雇った貴族令嬢アリス・ダグラスにはある思惑があった。「私を殺して」アリスの切なる願い、華子はその真意を探るが――。

20世紀間近、同性愛が事実上禁じられているイギリスを舞台にした百合作品、いわゆる「禁断の愛」系です。
時代考証といいますか、舞台設定がどれほどよく練られているのかは、世界史ミリしらの私としては分かりかねるところですが……素人目から見て、とても面白かったです。
特にこういうテーマを扱う以上、ハラハラ、ドキッとする場面は多く、早く次へ早く次へという感じで読み進めてしまいました
そして何より百合作品として、時代・社会の壁を越えた愛は強く美しいですし、栄華を極めるイギリスに突如現れる東洋人・華子とアリスの心の変化を通して、社会の変容みたいなものを描こうともしているような、社会派な一面も感じました。
ネタバレ無しだと語れることがとにかく少ないのですが……
終わり方も含め、百合作品としては良い意味で異質かなと思います。異なる作家が同じテーマで書いたら、また別の結末を迎えそう。
既刊3巻かつ完結済みと手軽な一作なので、百合有識者の皆さんの感想も聞いてみたいなと思う作品でした。
華子とアリスのその後も見てみたい……。


引き続き、皆さんのオススメの百合漫画情報をお待ちしております。