3回目です。ここ3ヶ月で百合漫画を80冊くらい読みました。
さて、今回は「絵柄がとにかく私好み」な3作品。
- 君と綴るうたかた
- ささやくように恋を唄う
- アネモネは熱を帯びる
ネタバレは極力なしです。
君と綴るうたかた
著:ゆあま / 一迅社(百合姫コミックス)
既刊3巻（連載中）
あらすじ（公式から引用）
人との接点を避けて生きている女子高生・星川雫は、隠して執筆していた小説をクラスメイトの朝香夏織に見られてしまう。
しかし、小説を読んだ夏織からは「次回作のために私と付き合おうよ」と逆に誘われてしまい……
物語を通してつながる少女二人の、甘く切ないひと夏だけの恋人ごっこ。
絵が上手い……繊細な雰囲気の画風で、物語の儚さや歪さが絵柄からも伝わってきます。
いじめや病気をテーマとして扱っているので、シリアスでしんどい場面がとても多いです。
感情の揺れ動きの描写は見所の一つ。次々巻き起こる逃げ出したくなるような出来事、特にそれに対する雫の動揺や恐怖は、読者にもぞくぞくと伝わってきます。それを乗り越えて、そして夏織との出会いを通して成長していく雫の姿もとても魅力的です。
雫と夏織の関係性はラブコメとしてはかなり歪で、今にも壊れてしまいそうな、その不安感が堪りません。こういう百合作品があってもいい。
それにしても、高身長物憂げ少女×低身長天真爛漫少女という組み合わせ、フェティシズムが過ぎるな？最高！
余談ですが、各巻が本当に「早く次を読ませてくれ〜！！」って感じで終わるので、かなりしんどいです。良い意味で。読者心理の弄び方が上手すぎる。
ささやくように恋を唄う
著:竹嶋えく / 一迅社(百合姫コミックス)
既刊5巻（連載中）
あらすじ（公式から引用）
桜舞うその日、ひとめぼれから始まる恋模様。
新入生歓迎会のバンド演奏でボーカルの依に憧れ、ひとめぼれしたひまり。
ひまりに声をかけられ、その笑顔にひとめぼれしてしまった依。
憧れと恋心。ちょっぴりすれ違ったひとめぼれから始まる少女たちの胸キュン学生百合をお楽しみください!
絵が……絵が上手すぎる…………全コマ絵画か？
敬愛する竹嶋えく先生の作品。とにかく絵が上手すぎるので、一コマ一コマじっくり見ちゃって読むのに時間がかかります、最高。
バンドものの作品で、音楽を介して女の子たちの感情や関係性が変化していきます。がっつり音楽モノというよりは、ラブコメのエッセンスとして音楽が使われているような印象の作品です。
音楽が人を繋げることもあれば、別つこともあり……それぞれの思惑や嫉妬が渦巻きドロドロする展開もありゾクッとします。
でも、ひまりと依の純愛が軸にあり上手くバランスが取れているので、百合作品として安心感がありますね。
(とはいえ、最新5巻はモヤモヤモヤモヤモヤって感じで終わってしんどいので、早く6巻出て…………)
特に、ド純真で小動物的な可愛さのひまりと、クールに見えてひまり限界オタクの依、その二人のイチャイチャが本当に尊い！
二人の笑顔と恥じらいの表情が、とにかく魅力的です。
アネモネは熱を帯びる
著:桜木蓮 / 芳文社(まんがタイムＫＲコミックス)
既刊2巻（連載中）
あらすじ（公式から引用）
あなたを好きになりたい
不本意ながらも進学した私立高校で凪紗が出会ったのは病弱な少女：茉白。
しかし、初対面であるはずの彼女は凪紗が受験に失敗をした原因とも言える少女だった。
自分を変えるため、凪紗は茉白を「好き」になろうと決意する―。
百合に限らず、ラブコメにはlikeとloveが交錯するタイプの作品が珍しくないですが、それ以上に多くの「好き」の形がある作品。
まだ既刊2巻で、関係の進展もゆっくりなので、今後の展開次第で評価は変わってくるとは思いますが……
今のところは重すぎず軽すぎず、繊細な感情の機微はわかりづらいところもありますが、それも百合らしい魅力というか、百合初心者にもオススメできる一作かなと思います。
特に、自分の本意に反して進んでしまった道を言わば正当化するための利己的な凪紗の好きの形が、茉白の投げかける純真な好きに晒されて変わっていく。自分の本当の気持ちになかなか気づけない事も含めて、凪紗の心境の複雑な変化が大きな魅力かなと思いました。
真面目な凪紗と天然な茉白は一見正反対ですが、ポジティブに生きようとしている点に共通点があり、そこが共鳴するのかも？こういう関係性も良いものです。
絵は言わずもがな、めちゃくちゃ私好みなのですが、特に表情がすごく良いです。表情が良い作品は名作……。
引き続き、皆さんのオススメの百合漫画情報をお待ちしております。
