わたしです

みなてふ(twitter:@mintexcca)のメモ帳みたいなもんです

百合漫画を紹介するやつ Vol.5

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お久しぶりです!今回は以下の百合姫3作品!

  • 私の百合はお仕事です!
  • 踊り場にスカートが鳴る
  • 欠けた月とドーナッツ

やってくぞ~!


私の百合はお仕事です!

著:未幡 / 一迅社(百合姫コミックス)
既刊10巻(連載中)

あらすじ(公式から引用)
女子高生・白木陽芽(しらきひめ)には夢がある。
それは億万長者と結婚して玉の輿に乗ること。そのために陽芽は演技(ソトヅラ)を駆使して誰からも愛されるように振る舞っていた。しかし、ひょんなことから陽芽は「リーベ女学園」という名のコンセプトカフェの店員になることに。そこはお嬢様学校の学生に扮した店員同士が、姉妹(シュベスター)となり清らかに美しく給仕をするサロンだった。陽芽はそこで一人の女生徒・美月を「お姉さま」と呼んでしまい……

真打ち登場。アニメ化も決定した、今もっとも熱い百合漫画といっても過言ではないでしょう。
お嬢様学校のコンセプトカフェを舞台にした作品。コンセプトカフェという設定を存分に活かした多面的な百合と複雑な人間関係は、もう見事という他ないです。
登場人物たちがカフェで演じているキャラクターの性格・世界・人間関係と、バックヤードの登場人物たちのそれら。全く違う2つの世界が描かれているので、尊さやコミカルさといったポジティブな百合から、嫉妬や執着といったシリアスな百合まで、全て1つの作品で読めるありがたさ。
さらに、その2つの世界が互いに影響して人間関係が変化していくので、普通の百合作品とは違う劇的な関係性の変化が見られるのも魅力です。
各キャラクターも読み進めれば読み進めるほど癖強め(結局、陽芽ちゃんが一番まともなんだよな)だし、抱えている感情や思惑も重たい重たい、そしてそれがすれ違いにすれ違って、軋轢が生まれ……本当に読んでいてしんどいです、良い意味で
絵柄は一見ポップでキュートな感じで、絵もすごく上手くて可愛いのですが、その分シリアスシーンのギャップは凄みがあります
百合初心者には重たすぎるかな……と思う一方で、百合のほとんど全てが詰まっている百合の教科書のような作品だなと思っています。
多くは語らず聞かず……まずは2巻まで読んでほしいです。すぐに続きが読みたくなると思いますよ。
アニメも良い作品になるといいなぁ。


踊り場にスカートが鳴る

著:うたたね游 / 一迅社(百合姫コミックス)
既刊2巻(連載中)

あらすじ(公式から引用)
桜ヶ森高校・社交ダンス部2年の春間ききは、「パートナー」(女役)として踊りたいと思いながら身長が高い自分に「合う役」である「リーダー」(男役)を続けていた。ある日、ききは幼馴染からペアの解消を告げられ、新しいパートナーを探すことに。…しかし、なかなか新しいペアは組めず、放課後に一人、憧れるパートナーのダンスを踊っていた。そんな彼女の姿を見た小柄で華奢な1年生・鳥羽見みちるは「私のパートナーになってください」と言って手をとり――

繊細な絵柄と感情描写で雰囲気・空気感が大変良い作品です。
百合としては珍しい社交ダンスをテーマにした作品。女性ペアがあるって初めて知りました。女性同士がそれぞれ「リーダー(男役)」「パートナー(女役)」としてペアを組むという……それだけでも濃密な百合の匂いがして良いのですが、競技性もあるテーマというところでスポ根ものの一面も感じるところがあります。
自分が本当にやりたいことと他人が自分に求めていることで板挟みになっている主人公のききが、みちるとの出会いで自分を変えていく、そんな話でして。きっと共感できる・自己投影できる人も多いはず。
それにしても、背の高い女の子のききが、小さい女の子のみちるにリードされるっていうの、性癖〜〜!ですね、めちゃくちゃ好きです。(君と綴るうたかたでも同じこと言った)
でも実はみちるの方も弱いところがあって、ききがしっかりお姉さん的一面を見せるところもあり……このききとみちるの関係性がとにかく良いんですよね。
そんな二人の関係性に、ききのかつてのパートナーである紫苑がどのように絡んでくるのか……この三角関係も、今後期待して見ていきたいところです。


欠けた月とドーナッツ

著:雨水汐 / 一迅社(百合姫コミックス)
既刊4巻(完結済み)

あらすじ(公式から引用)
オシャレをして、メイクをして、恋をする……そんな『普通』の女性に憧れるOL・宇野ひな子。しかし、彼女は男性とつき合うという『普通』の恋愛に、自信のなさから一歩を踏み出せずにいた。恋愛に踏み込む恐れと、独りでいることへの不安の間で板挟みになった彼女の前に現れたのは、会社の堅実な先輩・佐藤で……。

つい先日完結を迎えた、穏やかな気持ちになれる社会人百合作品
メインの登場人物である宇野さんと佐藤さんは、多かれ少なかれ完璧でない自分に悩んでたり苦しんでたりするところがあって、それが完全な円でない欠けた月とドーナッツに投影されているんですよね。
そしてのその欠け方の違いが、彼女たちの人生観の違いも表していて……作中では二人の人生観が対照的に描かれますが、それは互いの足りない部分を補ってくれるものでもあって、そんな関係性の変化がゆっくりゆっくりと描かれるのが大きな魅力です。二人とも恋に奥手で、そういういじらしさや初々しさがとても可愛く表現されています。
話の展開も劇的でなく緩やかに上り下りする感じで、登場人物たちにも(善意に苦しむことはあれど)悪い人はおらず、全体的に穏やかな気持ちで読めて、ほっこりします
4巻完結という手軽感もありますので、人生疲れた時に読んでみてはいかがでしょうか?


引き続き、みなさんのオススメ百合漫画情報をお待ちしております。