わたしです

みなてふ(twitter:@mintexcca)のメモ帳みたいなもんです

「テイルズ・オブ・アライズ」感想

https://toarise.tales-ch.jp/ogp.png

どうも〜。

ゲームをクリアしたら感想を書くぞ!
ということで、今回は2021年9月にバンナムから発売の「テイルズ・オブ・アライズ」。
自分はテイルズシリーズ過去作ほぼほぼ未履修なので、そういう奴が書いてるぞという気持ちで読んでいただけると〜。
あ、ちなみにテイルズ未履修でも全然面白いですよ、というか全然過去のシリーズと関係ないと思う。しらんけど。

前半はネタバレなし、後半は警告してからネタバレありで感想書くので、プレイ予定の方は前半だけ読んでもらえれば。

流石はストーリーもシステムも好評の本作、とても面白かったです。

まずはストーリー。
「奴隷」や「支配」をテーマに、ストーリーの本筋は重めだけど、キャラクターそれぞれキャラが立ってて魅力的でコミカルなやり取りも多く、重さで胃もたれしない感じなのが助かりましたね。
特に「奴隷」の描き方は、我々人類が歩んできた歴史そのものなんじゃないかなぁというくらいリアリティがあって、感情移入しやすいというか……我々が持ってる愚かさみたいなのが、詰まってましたね。いや本当に。
本作のグラフィック(アトモスシェーダー)も、メチャクチャ綺麗ですが少し陰鬱な雰囲気も感じ、世界観に大変マッチしてた気がします。
キャラクターたちも明確な善悪が分かれてる訳でもなく、まぁもちろんダナとレナの対立の中でのダナ側の話にはなるので、建前上レナが悪役という立ち位置ではありつつも、それぞれにそれぞれの正義がある感じも、現代らしさがあって良いなぁと思いつつ。でも、全体を通してしっかり「アルフェンとその仲間たちの冒険譚」として軸が通ってて、王道ファンタジーRPGとしてのアツさも持ってます。

公式サイトでウリとされているフェイシャルCG、要はキャラクターの表情の作り方もメチャクチャ上手かったですね。これ相当工数かかってるんじゃないかなぁ……個人的には後半に入ってからイベントシーンの演出が若干雑になった感じがして、開発後期は工数が足りてなかったんだろうなぁなどと邪推してしまい少し残念な点はありつつも。
そういう画づくりも相まって、キャラに血が通ってる感じがして良かったですね。もちろん、各キャラクターの設定自体もとてもよくできてる。

システム面。
攻撃システムも成長システムも明快で、アクションの爽快感があって良かったです。空中技もあったり、攻撃のエフェクトも派手なので、かなりアクロバティックでエキサイティングな戦闘が楽しめました。(エフェクトが派手すぎて自分の攻撃なのか敵の攻撃なのか分からなくなることがしばしばありましたが)
結局自分はアルフェンばかり操作していましたが、プレイアブルキャラそれぞれかなり操作感が違うので、そこも面白い。
基本的には術技とブーストアタックを組み合わせてコンボを繋げたり、あるいはブーストアタックを使って敵のダウンを狙う、という感じで、「ブーストアタック」というシステムを軸にバトルが展開していきます。このブーストアタックに必要なブーストゲージは時間で溜まるので、バトル中は守る時間と攻める時間が頻繁に入れ替わり、メリハリがあって良かったですね。繰り出せれば必殺の「ブーストストライク」の発動にもコンボが関わるので、複数用意された攻撃手段をいかに組み上げていくか、と考えながら戦闘するのが楽しい。
敵も、それぞれ何が弱点なのかは分かりやすく出来ているので(全く弱点がない敵もいますが)ブーストアタックの使い甲斐がありましたね。その分、敵のデザインが使いまわし色違いが多いのは少し気になりましたが。
あと、このブーストアタックとブーストストライクが大事すぎて、せっかく派手な演出がついている「秘奥義」の影が薄くなってる(というか要らない子になってる)のはいただけませんが……。
あと、難易度バランスも整ってて良かったかなと。決して死にゲーではないですが、油断してると結構あっさり死ぬし、爽快感はありつつも冷静なバトルが要求される緊張感もあって楽しかったですね。

このゲームのシステムを語る上で欠かせないのはやはり回復システムかなと思っていて。
「キュアポイント」(CP)という、回復魔法用のパーティー共通MPみたいなのがあって、まぁこれをジワジワ削りながらHPを回復しながら、ダンジョンを探索したり、あるいはボスに挑んだりするわけですね。
このCPが、今パーティーにどれくらい余裕があるかのとても分かりやすい指標となっているので、一旦街に戻るべきか、とかそういう進退の判断がしやすくてありがたかったです。
また、回復アイテムを使ってHPを回復することもできますし、CP自体を回復することもできるのですが、この回復アイテムがそこそこ貴重で高価に設定されていまして……いや、このゲームバランスが本当に良くて、無闇矢鱈に回復できない緊張感もありますし、回復アイテムが尽きる前に次のファストトラベルポイントまで進めるか、みたいな緊張感もあって、とても楽しい。

そんなこんなで、戦闘システムは本当によく考えられて作られているなという感じがありました。4,50時間のプレイ時間の間、戦闘自体はそれほど変わり映えはなかった訳ですが、それでも飽きなかったというのはすごいことだなと思います。  
 
 
 
 
 
 
 
※※※ ここからはストーリーのネタバレを含みます ※※※  
 
 
 
 
 
 
 
さて、ストーリーの話に戻ります。主に後半の話。
ダナ全土の領主を倒していく第一部と、レネギスやレナに乗り込む第二部で構成されていましたね。
僕は本当に終盤で怒涛の伏線回収や大どんでん返しが起こるストーリーが大好きで(オタクみんな好きだろ?)本作もそれでしたね。いや~好き。
ダエク=ファエゾルでは今まで自分が信じてきたものがどんどん覆されて、キャラクターと気持ちが完全にシンクロしてました。
そういう中で、レナの真の姿が見えたシーンは本当に効果的に演出されてたように思いますね。

終盤の説明不足感が多く指摘されているようですが、自分はあまり気になりませんでした。もちろん、ガナスハロスから急に話が曖昧になってきたなという感覚はありましたが、まぁダエク=ファエゾル以降で大体回収されたので……まぁそういう意味では、第二部からあまりにも方向性が変わったので、そこが気になったというのはあったかもしれない。
ただ、先程も言った通り、後半は若干イベントシーンの演出が雑になったり、駆け足感があったのは事実かなと思っていて、いや本当に後半の畳み掛けがアツくて見事だったので、そこがもったいないなぁというところはありました。
ヴォルラーンとかめちゃくちゃ大事なキャラだと思うんですけど、やっぱり掘り下げ不足かな……境遇的にはアルフェンと同じで、結構悲劇的なキャラだとは思うのですが、なんか何度も楯突いてきてウザい奴くらいの印象しかないんですよね。勿体ない……。

前半はカラグリアからシスロディア、メナンシア、ミハグサール、ガナスハロスと旅をして、それぞれダナがレナに支配されているという点は変わらないものの、それぞれの支配と隷属の形があるんですよね。景色や雰囲気の移り変わりも劇的でプレイヤー側も楽しいですし、それを目の当たりにして自身の当たり前が崩れていくキャラクターたちの心情描写もよく出来ていて。
劇的なシーンも多く、本当に盛りだくさんのことが起こる充実の前半に対して、もうそんなこともどうでも良くなるくらい全てが覆っていく後半。今まで起こってきたいろいろなことが全部茶番だったのではないかと思えるくらい大きくなるスケールに潔さと気持ちよさを感じましたね。前半が蔑ろになってるわけではなくて、旅を通して成長をしたキャラクターたちが強大な脅威に立ち向かっていく姿は、胸が熱くなるものがありました。
最初は「レナ」→「ダナ」という単純な構図だと思われていたものが、実際は「レナの意思」→「ヘルガイムキル」→「ダナ」という構図で、この「ダナ」の中に前者の意味での「レナ」→「ダナ」が内包されていた訳で。でも結局、最後まで「支配」と「隷属」の話であると、しっかり軸がひとつあるのが、全く毛色の異なる前半と後半をつなぎ合わせていて良かったですね。


と、書きたいことつらつら書きました。
いや、本当に久々にガッツリ名作J-RPGをやりましたが、本当に良いものですね。
今はホグワーツ・レガシーやってますが、やっぱり毛色が違くて……僕は日本のゲームの方が好きです。
そういう中で、このTOARISEは、今のファンタジーRPGのひとつのお手本的な作品なのではないかなと思いますね。