わたしです

みなてふ(twitter:@mintexcca)のメモ帳みたいなもんです

「英雄伝説 黎の軌跡」クリア感想

日本ファルコムRPG英雄伝説 黎の軌跡」クリアしました。
クリアタイムは75時間13分47秒。
久々に70時間超のゲームやりましたが、やりごたえありましたね〜。

軌跡シリーズは一作一作が重すぎて……閃あたりから全然追いつけてないのですが。
黎は新規でも結構楽しめるよ〜という噂を聞き、やってみました。

ということで、感想書いていきます〜。
「ストーリーについて」項からはネタバレがありますので、ご注意を!

戦闘・育成システム

コマンドバトルとアクションゲームの二面性を持つ挑戦的なシステムに驚きました。
フィールドでのアクションで有利な状況に持ち込んでから、コマンドバトルに入るという流れが基本ですが、雑魚ならアクションだけで倒せるし、なによりアクションからコマンドバトルへの移行がめちゃくちゃスムーズで、テンポが小気味よかった〜。

アクションゲームとしては出来ることが少なく、正直凡作以下ですが、まぁメインはコマンドバトルなんでね、それは良いでしょう。
むしろ、シズナなどフィールドアクションがとにかく爽快で面白いキャラもいるのが凄い。

一方でコマンドバトル、作中ではATバトルと呼ばれますが、こちらは戦略的で奥深い。
ターン毎にキャラクターの移動ができ、このキャラクターの位置取りが鍵になります。
味方も敵も範囲攻撃がほとんどなので、固まるのは避けつつ、しかし仲間と隣接することで技が強化されるなど固まるメリットもあり……攻撃範囲も、円形、扇形、直線状、もちろん大きさも様々なので、いかに安全圏にキャラを置きつつ戦闘を進めるかなど、奥深くて面白かったですね。
一方で、敵のヘイトを集中させられるのが基本的に主人公のヴァンだけ。よって、ヴァンを他の味方から離し防御を固めつつヘイトを集め、他の味方は固めて攻撃、という陣形が基本的には安定して強いので、この戦略ばかりになってしまうのは少し残念なポイントかもしれません。

また、バフデバフや状態異常が強力で、基本的にはこれ(特にシールド)を活用して戦うことになりますが、バフ解除やシールド貫通などの能力もあるので、なかなか一筋縄ではいかないのも頭悩ませポイントで面白かったですね。

コマンドは、攻撃防御アイテムと、CPを消費するクラフトとSクラフト(いわゆる必殺技)、EPを消費するアーツ(いわゆる魔法)があります。
このCPとEP、そしてSクラフトを使用するときなどに必要なブーストゲージのマネジメントも鍵のひとつ。
特にCPは消費が激しい反面、通常攻撃などで回復できるので、いかに通常攻撃を挟みつつ有利に立ち回るかを考えるのがなかなか難しい。また、ブーストゲージはSクラフト使用で上限が上がるので、いかに戦闘後半に向けてブーストゲージ上限を上げていくかも考える必要があり、しかしSクラフトの使用には大量のCPを消費するので……と、このCPのマネジメントがパズルみたいで面白い印象でした。

キャラクターの個性を決めるのは、基本ステータスと前述のクラフト、Sクラフトです。
アーツは自由に組み替えることが可能ですし、またステータスもクオーツの構成を変えることでかなり変化させることが可能なので、最終的にはかなり自分好みに各キャラクターのロールを決めることができるのが印象的でした。
もともと軌跡シリーズはキャラクター育成の自由度が高い印象はありましたが、極まってる感じがしましたね〜。その分、なかなか煩雑なシステムにはなっていますが……戦闘での効果もわかりやすいので楽しかったです。

パーティは四人構成になるのですが……基本的に、先ほど言った通りヘイト役のヴァン、回復役として必須のアニエス、シールドを張れるリゼットかカトルはほぼ必須。次いで、敵のバフ解除ができるジュディスかベルガルドがいると心強い、という感じだったので、自分の中ではフェリとアーロンの存在感が薄く、キャラ育成の自由度は高い割に、パーティーの固定化を招くような個性のつき方してるのがちょっと残念だったかな〜という印象でした。
ただ、戦闘中はほぼノーコストで控えのキャラクターとの入れ替えが可能なので、パーティーの入れ替え込みで戦略を立てれば、全キャラクターに活躍チャンスがあるのは良いところかもですね。
全体的にボス敵はかなり強く、特に終盤のボスはキャラ入れ替えありきじゃないとなかなか厳しい戦いを強いられます。

そうそう、全員に活躍のチャンスが〜という話で言えば、勿論育成要素として、レベルや装備もあるのですが……
控えのキャラにも経験値は入りますし、獲得経験値は敵とのレベル差で決まるので、ほぼほぼキャラ格差が出ないようになっているのは、現代的で良かったです。装備も全員分その時その時の最強が揃えられる程度にはお金貯まりますし。
普通にゲームを進めていればちょうどいいキャラクターレベルになるので、レベル上げのために雑魚戦やりまくる、みたいなこともなかったし。濃密な75時間でしたわ。

ストーリーについて

やっぱりファルコムらしいクッサい台詞回しと、性癖全開のキャラクターが良いですね〜!大変私好みでした。
特にセリフのクサさは極まってたんじゃないかな〜この会社じゃなきゃ許されないと思うわ。

表社会と裏社会の両方に足を突っ込む「裏解決屋」なる稼業を営む主人公が、国の表と裏の両方を見ながら、やがて顕在化してくるこの国が抱える歪みに立ち向かっていく……とまぁそういう感じの、明確な善も悪もない今風なお話で、それぞれの組織や人がそれぞれの思惑で、時に協力し時に対立しながら、強大な悪に迫る……ファンタジーではあるのですが、世界観も含めどこか現実味がありハードボイルドかつ王道なストーリーになってます。
ある種ミステリーもの的な側面もありつつ、パーティーメンバーや様々な組織とのバディものの側面もあって、重厚で熱くて面白かったです。やっぱりファルコムはシナリオ……。

話を進める毎にどんもん表裏さまざまな組織が登場して、最後の5章と終章でついに全員が結集、絶対悪たるアルマータに立ち向かってゆくんですよね〜。こういう、絶対的な悪を前にして、お互いの立場はとりあえず置いておいて共闘するやつ、おじさん大好物です。
特に空の軌跡おじさんとして、身喰らう蛇が協力関係(協力……?)になるのも胸熱でした。
主要人物とのやり取りはもちろん、サブクエスト4spgやフィールド会話で一般市民や組織のモブと会話する場面も多く、国内の情勢や市民の生活、裏組織の勢力変化が事細かに描かれていて、自分もカルバード共和国で生活しているかのような没入感がありましたね。

一方で、5章と終章、特に終章はちょっと長くてダレてたかな〜という印象もありました。
最後に二つ大きな山がある展開なんですよね、5章でも一度クライマックスを迎えるので、そこからの終章は長く感じました。クライマックスが二度あること自体は美味しいんですけど、5章で一回終わり感を出しすぎ……?
特に終章は、汎魔化への対応もゲネシスタワーの攻略も、基本的に同じことを繰り返していくだけ。雑魚敵も無駄に硬いので時間かかるし、まぁ汎魔化対応は色々なゲストキャラを触れたし、少しずつ仲間を取り戻していく感じはちょっと楽しかったですけど。ゲネシスタワーはボスラッシュみたいな形でも良かったのでは?

同じく微妙だと思ったのはLGCアライメントによる分岐。分岐ってほどストーリー分岐するわけでもなく、中途半端な印象が……。
協力する勢力が変わるストーリー分岐といえば個人的に印象深いのは初代AKIBA'S TRIPなんですが、あのくらい思いっきりやっても良かったのかな〜。最終的にはみんな合流し共闘するので、なおさら途中の分岐は思い切りやってほしかった感。

キャラクターはみんな人間味があるし、何より性癖どストレートなので最高でした。
お人好しで優しすぎる側面があるヴァンと、そんなヴァンの脆さや危うさを気遣い、半ばヴァンがやり込められるような形で接する仲間たちとのやり取りは、安心感と微笑ましさがある。お互いを補い合う感じ……。
特にアニエスの成長とヴァンの変化は丁寧に描かれているし、またアニエスとヴァン、そしてエレインのラブコメ的要素もあり……しかし、敢えて恋愛関係は何も進展しなかった、このもどかしさやドギマギ感も本作の魅力のひとつかなと。IIではどうなる!?


というわけで、おもしろかったので続編も早速やろうと思ったら、IIはPC日本語版まだ配信されてませんでした!!
なんでやね〜ん!!!!!!