わたしです

みなてふ(twitter:@mintexcca)のメモ帳みたいなもんです

映画「駒田蒸留所へようこそ」感想

2023年11月10日に公開されたアニメ映画「駒田蒸留所へようこそ」見てきました。
P.A.Worksのお仕事アニメ新作ということですが、あまり話題になっていないような……。
面白かったので、感想です。少しネタバレあるので注意!

ざっくり

  • お仕事アニメとして、しっかり蒸留所のお仕事を描いていて、ノイズが少ない
  • 起承転結がハッキリしていて、一貫したメッセージ性のある見やすい映画
  • 地味だけど人間味のあるキャラクター
  • あっさりし過ぎたストーリー展開はやや気になる

良かったところ

お仕事アニメのリアリティ

ウィスキーの蒸留所をテーマにしたアニメですが、内容はウィスキーの原酒の貯蔵やブレンド、蒸留所の買収など、蒸留の華々しさはなく地味で、ウィスキー蒸留のお仕事のリアリティに寄り添った内容なのかなと……実際を知らないのでアレですが。
色恋沙汰もなく、テーマ柄子供キャラも一人も出てこず、お仕事アニメとして徹底されていたのが良かったです。特に恋愛要素が無いのは個人的にはポイント高い、P.A.のお仕事アニメはこれまでもあんまり無い印象ですけど、やっぱりノイズになるのと、恋が行動の動機になるのって安直な感じがして嫌いで……いやラブコメならいいんですけどね。
ちゃんと登場人物の各々の仕事への情熱がしっかりと描かれていて良かったです。

分かりやすさ

物語の起承転結がハッキリしていて、わかりづらいところも特にないので、非常に見やすいです。
余計な要素もほとんどなく、かなり純度の高い作品で、90分という尺に濃密かつコンパクトにまとめられています。
キャラクターそれぞれの「やりたい事」を描き、それに対する各々のアンサーをメッセージとして我々に伝えるというメッセージ性も一貫してましたし、やりたい事がハッキリしてる作品って印象でしたね。
あと、ウィスキーのこと全く知らなくても全然大丈夫でした、この映画でちょっと詳しくなった気分。主人公の記者をウィスキーぜんぜん知らん人間にしたのはそういう意図もあるのかも?

魅力的なキャラクター

P.A.の作品はやはりキャラクターが魅力的。
まぁ今回に限って言えば尖ってる人は居なくて、全体的にかなり地味ではあるのですが、各々の生き方や性格に人間味が感じられて良かったです。
特に駒田兄、悪いやつかと思いきや、不器用なだけで誰より駒田家のこと考えてるめっちゃ良いやつなんだよな推せる。
駒田家の人たち以外の、例えば蒸留所の職員さんとかは深掘りされない訳ですが、まぁ映画ならしゃーなし。テレビアニメだったら深掘りしてくれるんでしょうけどね〜前日譚のコミカライズとかあるみたいなんで、そこにも期待。
……まぁぶっちゃけ、早見沙織さんの声が大好きで、それがこの映画を見た大きな動機のひとつなんですが、これに関しては期待通りでしたね!
駒田琉生さん、メチャかわでしたね。うーん、激照れ腐女子……。
今ならTOHOシネマズで見ればマナー広告でも早見沙織さんの声が聞けてお得です。(SPY×FAMILYとコラボしてるので)

イマイチだったところ

あっさりした展開

物語の山場はいくつかあって、結構キツイことが起こるんですが、自分の中のキツさの印象と裏腹に、意外とあっさり解決したり、登場人物たちが冷静だったりした印象があって。全体的に、ちょっとあっさりサクサクとストーリーが進みすぎてる感じがしました。
作品としてコンパクトに纏まってる感はあって良いかとは思うんですけど、もう少し中盤が悲劇的な展開だったら、もう少し強いカタルシスがあれば、もうちょっと感動できたかな〜という。

豹変する主人公

記者の男の主人公がまぁ本当にダメなやつなんですが、中盤から急に覚醒するというか、めっちゃやる気ある有能人になるんですよね。
それがあまりにも急だったので、ちょっと違和感ありました。もうちょっと序盤がダメダメ過ぎなければ良かったのかなぁ?いずれにせよ、成長曲線がちょっと極端な感じが。
まぁ急に仕事のモチベが湧くことってあるよな〜とも思うんですがw
キッカケになるのが、駒田蒸留所と駒田琉生の過去を知った事で、まぁテレビアニメだったら過去回として一話使うような重めの内容なんですが、これがお爺の回想で終わるんですよね。
ちょっと説明的なのも気になったし、まぁこれもあっさりとした展開っていう話に繋がっていきますね。
それはそれとして、主人公お前なんで急に駒田琉生さんにタメ口になったん?急に親密になるなよ……(怒り)


イマイチなところは、まぁ強いて言えばというところで、全体的にすごくよく纏まっていて、とても見やすい映画でした。
大傑作というほどではないかもですが、万人に見ていただきたい良作。